子どもの脳と発達

発達障害

イヤイヤ期

もし子どもが「いや」と言わないで、親の言うことをきいてくれるとしたら、子育てがどんだけ楽だろう・・・と思う人は多いことだと思います。

幼児の「いや」は断固動かない、ひっくり返るなどその表現方法もエネルギッシュでイライラしたり無力にさいなまれたり・・・子育て経験者は思いあたることでしょう。

もし「魔の2歳児」と言わるように「いや」を言わない「良い子」だったら・・・?

実はそれはとても心配なことなのです。

 

脳機能

脳は三層の構造でできています。

主として身体を司っている「脳幹部」、感情と記憶を司っている「辺縁系」、人間が高度に発達した賢いを司っている「皮質」です。皮質には考えたとおりに行動する前頭前野があります。「いや」の元は本能的な脳幹部と辺縁系で、親の言うことをきくにあたるのは前頭前野になります。

言葉を有している皮質部分は年齢とともに少しずつ発達していきますので、生まれた時はまだ前頭前野は機能しておらず、乳児は泣くだけです。

成長発達に伴って前頭前野が機能するようになり20年かけて完成するのです。

ですので「魔の2歳児」の脳は未完成なので「いや」のコントロールは不能なのです。

子どもが年齢相応に適した「がまんする力」を身につけていく為には関わり方が大切になります。

 

乳幼児期の関わり方

  • 乳児期:子どもが不快な時に「安心・安全」を与えること【愛着の関係性】

例)泣いている赤ちゃんを抱っこする、おむつを替える、ミルクをあげる など

※2歳は「ダメ」が理解出来ずいやいや全開で「かんしゃく」がある。

脳の発達を考えて安心・安全を確保して見守ることが大切です。

  • 幼児期:4歳時ぐらいなると前頭前野も機能するようになり、覚えたことばと制御の機能のバラスがとれる為分かることばで説明することが大切です。

 

問題となるパターン

乳幼児期の「いや」の主張に対して安心・安全を与えることができないとがまんする力の育ちが困難になってしまうことが起きます。成長とともに消えることができないかんしゃくによって感情コントロールが困難になります。その結果4歳以降になっても前頭前野が機能せず親や先生などから叱られることが多く安全・安心を体験する機会がますます失われてします悪循環となってしまいます。

また乳幼児期の「いや」を抑制されて前頭前野が発達した場合は親の前では良い子なのに親のいない時にかんしゃくを起こしたりして状況によって感情コントロールが困難になることもあります。

 

しつけのプロセス

  1. 【大人】守るべき「枠組み」を示す(発達年齢に即した妥当なもの)
  2. 【子ども】枠組みにぶつかって不快感情を表出する(泣く自由と権利がある)
  3. 【大人】不快感情を承認するが、枠組みは変えない
  4. 【子ども】きちんと葛藤する(脳幹部・辺縁系と前頭前野の葛藤)
  5. 【子ども】自己の欲求の抑制⇒自立

例)

  1. 【大人】アイスはご飯の後に食べる
  2. 【子ども】「いま、アイス食べたい」と大泣き
  3. 【大人】「食べれなくて怒っているのね」(泣くことは許す)「アイスはご飯の後」(枠組み)
  4. 5上記繰り返すことで葛藤し我慢することを覚えていく

 

まとめ

大人(親)も人間ですので感情的になることもあるかと思います。

怒りの感情の適切なコントロール法(アンガーマネジメント)として6秒ルールが知られています。その6秒の間に子どもの脳機能について思い出して頂ければ幸いです。

 

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