療育とは
発達障害の子どもに治療的・教育的に体系立てられた手法で対応していくことは、大きくまとめて療育(治療的教育)と呼ばれています。
療育のはじめ方
生活面の基本的な支援だけでなく、専門的な療育も受けたいと思ったら、医師や支援者などの専門家に相談し、療育をおこなっている専門機関を紹介してもらいましょう。
はじめ方は?
専門家に相談し、子どもに合った療育法とそれが受けられる専門機関を紹介してもらう。
選び方は?
療育の正解や間違いはない。一般論や他人の例にとらわれず、わが子に合ったものを探す。
目標は?
知的能力などの指標の改善をめざすのではなく、生活上の困難を減らすことを目標にしたい。
療育は、特訓ではない。家族で悩まず、苦しまずにとりくむことを探したい。
療育法
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TETCCH
特徴があっても生活に適応できるよう支援していくことが理念になっている。
イメージはバリアフリー。視覚情報の活用など環境を整えることで自立を促す。
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ABA
応用行動分析。子どもの行動を分析し、問題点を探り出して、計画的に修正していく手法。
問題行動に対して原因を考察し対応していくことで自己肯定感や自立を促す。
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感覚統合
感覚面・運動面の問題にとりくむ療育方法。
さまざまな経験を積むことで五感や体性感覚、平衡感覚などが整う可能性がある。
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SST
ソーシャルスキルトレーニング、社会技能訓練。専門家の指導のもとで、集団行動の練習をする。ロールプレイやゲームなどの中でルールの理解を深める。
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ソーシャルストーリー
社会的なやりとりをストーリー仕立てで理解する療育法。
特的な場面での人の気持ちなどを一緒に考えて、理解を深める。
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RDI
対人関係発達指導法。
非言語コミュニケーションよりコミュニケーションをとることが楽しいと思えるように促す。
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学習支援
学習面で発達障害の遅れがみられる子に対して、その子にあった支援をおこなう。
道具を使って読み書きしやすい環境を整え学習を促す。
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PECS
絵が描かれたカードを活用して、コミュニケーション能力を育てる方法。
言葉の遅れている子どもでも絵カードを使って要求し合意を得る経験を促す。
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ペアレントトレーニング
親がトレーニングを受けて、子どもとの暮らし方を学ぶ方法。
親子でそれぞれの対応法を練習し成長を促す。
特定な方法に力を入れすぎない
療育法には、上記のようにさまざまな種類があります。
豊富な選択肢のなかに、子どもの役に立ちそうなものがあれば、とり入れてみてください。
特定の療育方法に入れこみすぎずに子どもの特徴や子どもの負担を考えましょう。