日本は世界有数の長寿国ですが、ただ長生きするだけではなく、元気に自分らしく生活できる期間をどれだけ延ばせるかがとても重要です。
これを「健康寿命」といいます。
私は作業療法士として急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、老人保健施設、訪問看護ステーションで、多くの患者様やご家族と関わってきました。
脳卒中、整形外科疾患、呼吸器・心疾患、がん終末期、認知症、そして小児発達支援まで、幅広い年代・疾患の方を支援する中で、健康寿命を延ばしている方にはいくつかの共通点があることを実感しています。
今回は、現場経験をもとに、健康寿命を延ばすために本当に大切なことをお伝えします。
健康寿命とは?
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。
たとえば平均寿命が85歳でも、75歳から介護が必要になれば、健康寿命は75歳という考え方です。
2022年の日本では、
- 男性:72.57歳
- 女性:75.45歳
となっています。
つまり、多くの方が人生の最後の約10年前後を、何らかの身体機能低下や介護、医療支援を受けながら過ごしていることになります。
健康寿命を縮めやすい3つの要因
私が現場で多く見てきたのは、次の3つです。
① 動かない生活習慣
入院や在宅の現場で最も感じるのは、活動量の低下が身体機能低下を加速させることです。
歩く機会が減ると、
- 下肢筋力低下
- バランス低下
- 転倒リスク増加
- 閉じこもり
につながります。
特に高齢者では、筋力低下からフレイルへ進行しやすくなります。
② 社会参加の減少
健康寿命は身体だけではありません。
人と会う機会が減ることで、
- 認知機能低下
- うつ傾向
- 活動意欲低下
が起こりやすくなります。
訪問リハビリでも、外出頻度が高い方ほど生活機能を維持しやすい印象があります。
③ 痛みや持病の放置
膝痛、腰痛、息切れなどを我慢して活動量が落ちるケースは非常に多いです。
「痛いから動かない」
↓
「筋力が落ちる」
↓
「さらに痛みやすい」
という悪循環に入ります。
健康寿命を延ばしている人の共通点
ここは先生の経験が一番活きる部分です。
よく動く人
運動習慣がある方だけでなく、
- 家事
- 買い物
- 庭仕事
- 散歩
など日常生活の中でよく身体を使う方は非常に強いです。
私はこれを「生活そのものがリハビリ」とよく感じます。
役割を持っている人
健康寿命が長い方には、生活の中で役割があります。
たとえば、
- 孫の送り迎え
- 地域活動
- 趣味のサークル
- 家庭内での役割
作業療法の視点では、役割=生きがい=活動意欲につながります。
生活リズムが整っている人
睡眠、食事、運動のリズムが安定している方は、心身ともに崩れにくいです。
今日からできる健康寿命を延ばす習慣
読者に行動してもらうパートです。
1日10分歩く
まずは完璧を目指さず、10分から。
毎日誰かと会話する
家族、友人、近所の方、電話でもOKです。
役割を1つ持つ
植物の世話でも十分です。
まとめ
健康寿命を延ばすために大切なのは、特別なことではありません。
動く・人とつながる・役割を持つ
この3つがとても重要です。
臨床経験の中で、これを続けている方ほど、自分らしい生活を長く続けられていると感じています。

