「終活」という言葉を聞くと、多くの方が遺言書や相続、葬儀の準備を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、それらも終活の大切な一部です。
しかし、本来の終活は「人生の終わりの準備」だけではありません。
むしろ、「残された人生をどのように生きるか」を考える活動でもあります。
人生100年時代だからこそ考えたいこと
平均寿命が延び、人生100年時代と呼ばれるようになりました。
長く生きられることは喜ばしいことですが、一方で「何のために生きるのか」「これから何をしたいのか」という問いに向き合う機会も増えています。
仕事中心の生活を送ってきた方は、退職後に目標を失ってしまうことがあります。
子育てが終わった後に、自分の役割が分からなくなる方もいます。
そんな時こそ終活が役立ちます。
終活とは、自分の人生を振り返り、これからの人生の目的を見つける時間でもあるのです。
人生の目的が健康寿命を支える
健康寿命を延ばすためには、運動や栄養、睡眠が大切です。
しかし、それらを継続するためには「生きる目的」が必要です。
会いたい人がいる。
やりたいことがある。
誰かの役に立ちたい。
そんな思いがある人は自然と外出し、身体を動かし、人とのつながりを持ち続けます。
反対に、目的を失うと活動量が減り、閉じこもりがちになり、心身の機能低下につながることがあります。
健康寿命は身体だけで決まるものではありません。
人生の目的や生きがいも大きく関係しているのです。
終活で考えたい3つの問い
終活を進める際に、ぜひ考えていただきたいことがあります。
①これまでの人生で大切にしてきたことは何か
仕事、家族、趣味、地域活動など、自分が時間をかけてきたことを振り返ってみましょう。
そこには自分らしさが隠れています。
②これから挑戦したいことは何か
年齢を重ねても新しい挑戦はできます。
旅行、学習、ボランティア活動、趣味の再開など、やりたいことを書き出してみましょう。
③誰のために役立ちたいか
人とのつながりは人生の満足度を高めます。
家族や友人、地域社会など、自分が貢献したい相手を考えることで新たな目標が見つかることがあります。
作業療法士として感じること
私は作業療法士として多くの高齢者と関わってきました。
その中で感じるのは、「生きる目的を持っている人ほど元気である」ということです。
畑仕事を続けたい。
孫の成長を見届けたい。
地域活動に参加したい。
誰かの役に立ちたい。
こうした思いは、リハビリへの意欲や日々の活動につながります。
身体機能だけでは説明できない力が、人にはあります。
それが人生の目的であり、生きがいなのだと思います。
まとめ
終活とは、人生の終わりを考える活動ではなく、人生をより豊かに生きるための活動です。
これまでの人生を振り返り、これからの人生の目的を見つけることで、生きる意欲が生まれます。
そして、その意欲は健康寿命の延伸にもつながります。
「もし人生があと10年、20年続くとしたら、何をしたいですか?」
終活は、その問いに向き合う時間でもあります。
今日から少しだけ、自分自身の人生の目的について考えてみてはいかがでしょうか。
