私は約20年間、作業療法士として急性期、回復期、生活期、そして緩和ケアまで、多くの患者さんと関わってきました。
人生の最期を迎える方々と接する中で、ある共通した言葉を耳にすることがあります。
「もっと自分のやりたいことをやればよかった。」
「もっと挑戦しておけばよかった。」
「失敗を恐れずに生きればよかった。」
このような言葉は、年齢や職業を問わず、多くの方が口にされます。
人は亡くなる前に何を後悔するのか
世界中でよく知られている終末期医療の看護師ブロニー・ウェアは、多くの患者さんを看取る中で「人生の終わりに後悔すること」をまとめています。
その中でも代表的なのが、
「自分に正直な人生を生きればよかった」
という後悔でした。
誰かの期待に応える人生。
周囲に迷惑をかけない人生。
失敗しない人生。
もちろん、それも大切です。
しかし、人生の最後に振り返ると、「本当はやってみたかったこと」が心に残る人が少なくありません。
冒険とは、海外旅行だけではない
「冒険」と聞くと、大きな挑戦や海外旅行を思い浮かべるかもしれません。
しかし、本当の冒険とはもっと身近なものです。
・行ってみたかったお店へ行くこと
・趣味を始めること
・会いたい人に会うこと
・転職すること
・資格取得に挑戦すること
・「ありがとう」を伝えること
・家族と旅行に行くこと
どれも人生を豊かにする小さな冒険です。
年齢は関係ありません。
60歳でも70歳でも80歳でも、新しい一歩を踏み出すことはできます。
終活は「死ぬ準備」ではなく、「今を生きる準備」
終活という言葉を聞くと、多くの人が
「遺言を書くこと」
「お墓を決めること」
「相続対策をすること」
を思い浮かべます。
もちろん、それらも大切です。
しかし、本当の終活とは、「後悔の少ない人生を送るための準備」ではないでしょうか。
もし今日が人生最後の日だとしたら、
「やり残したことはありませんか?」
そう自分に問いかけることこそが、終活の第一歩なのだと思います。
健康だからこそ挑戦できる
作業療法士として多くの患者さんを見てきた私は、「健康」は失って初めてその大切さに気づくことが多いと感じています。
歩けること。
食べられること。
話せること。
旅行へ行けること。
好きなことができること。
これらは決して当たり前ではありません。
健康寿命とは、単に長生きすることではなく、「自分らしく生きられる時間」を延ばすことです。
だからこそ、健康な今だからこそ、やりたいことに挑戦してほしいのです。
今日できる小さな冒険を
人生は、いつ終わるか誰にも分かりません。
だからこそ、「いつか」ではなく「今日」を大切にしたいものです。
会いたい人に連絡する。
行きたい場所を調べてみる。
新しい趣味を始めてみる。
家族と将来について話してみる。
そんな小さな一歩が、未来の自分の後悔を減らしてくれるかもしれません。
人生の最後に、
「いい人生だった。」
そう笑って言えるように。
健康寿命を延ばすことは、人生の時間を延ばすことだけではありません。
その時間を、自分らしく、後悔なく生きるための土台をつくることなのです。
今日という一日は、これからの人生で一番若い日です。
あなたは今日、どんな小さな冒険を始めますか。
